延長戦の末のスーパー大逆転!!BCライオンズ、プレーオフ戦線に残った!!

749
CFL BC Lions Touch Down flags; Photo by ©Pacific Walkers/ File Photo
BCライオンズ、タッチダウンで舞うライオンズ旗。BCプレース。Photo by ©Pacific Walkers/ File Photo

 

BCライオンズ、延長の末の大逆転だ!! 第4クオーター、タッチダウンを直前に決め、2点差に迫っての残り2秒。もちろん2点コンバートを狙う。

QBジェニングズが放ったパスをSBバーンハムがキャッチ!! しかし! このプレーがビデオ判定に!

そして判定はコンバート成功!!

こうなるともう止まらない。勢いは完全にライオンズ。そのまま延長も制して大逆転。もう何もかもがクレイジーに興奮した試合だった。

これで3連勝! 順位も一つ上げ、プレーオフも視野に入ってきた。

 

9月22日(BCプレース:18,974)
BCライオンズ 35‐32 ハミルトン・タイガーキャッツ

第1クオーターにBCライオンズがフィールドゴール(FG)で先制したが、第2クオーターはタイガーキャッツに2タッチダウンを奪われ、逆転を許す。前半は3-14で終了した。

後半はライオンズが追いかける。まずは第3クオーターにこの試合初タッチダウンを決め、さらに2ポイントで6点差に詰め寄る。

第4クオーターはFGを決められるが、ライオンズのキッカー、ロングが50ヤードFGを見事に決めて追いすがる。試合終了3分前には、サードダウンでタッチダウンを狙いにいく掛けが功を奏し21-20と逆転に成功する。

しかし再逆転を許し、21‐27と再び引き離されてしまう。残りは1分46秒。もう誰もがここからの逆転は厳しいと思った。ところが…

ここからがドラマの始まりだった。

 

 

「こんなクレイジーな試合は経験がない」CFL史上に残る残り2秒からの大逆転劇!!

 

こういう試合はどう書けばいいのだろう。実際原稿を何度も書き直した。タイキャッツが勝利すると予想して準備していたからだ。この試合を見ていたならこの予想にクレームをつける人はいないだろう。

それほど、クレイジーで、スーパーエキサイティングな幕切れだった。

もうほんとに誰もがほとんどタイキャッツの勝利だと思っていた。電光掲示板は0:59。すでに1分を切っていた。21‐29。8点差だ。同点に持ち込むにしても、タッチダウンと2ポイントコンバートを成功させなければならない。しかも1分以内にだ。

誰もが不可能だと思った。タイキャッツのジョーンズ監督もそう思ったからこそ、59秒を残してフィールドゴールではなく、1ポイントを選んだ。しかも57ヤードだ。失敗すれば7点差。1タッチダウンで同点となる。

ただ、もしここで監督がフィールドゴールを指示しておけば、それが決まっていれば、試合結果は全く違っていた。タイキャッツのキッカーなら決められるとの意見もあった。

しかし監督は1ポイントを選んだ。「勝てると思ったから」。そう試合後に語った。

勝負は下駄を履くまでわからない。勝負の鉄則だ。その鉄則を見誤ったタイキャッツの監督は痛い星を落とすことになった。

それでも、ライオンズがタッチダウンを決め、さらに2ポイントを決め、さらに延長戦でも2フィールドゴールを決めるのは難しい。

それを遣って退けたライオンズが、最後まであきらめずに残っていたファンと勝利の余韻を楽しんだ。

試合後、2ポイントを取った際どいタッチダウンを振り返りバーンハムは「自分でも確信は持てなかった」と笑った。

「こんなクレイジーな試合は経験したことがない」と笑みが絶えないバーンハム。この日は第4クオーターにタッチダウンを2つ決め、さらに試合終了2秒前の2ポイントコンバートにも成功。彼なしでの今日の勝利は語れない。

それでも「今日はこの興奮する勝利の余韻に浸って、そして来週も対戦するタイガーキャッツとの試合に備えたい」と冷静さも見せた。

ブオノ監督は、「一歩一歩、山を登ってゴールを目指す」と一戦一戦を大事に戦ってその先にゴールがあると語った。

 

 

終盤に猛攻で大逆転! これぞCFLの醍醐味!!

 

この日の前半の戦いぶりを見る限りでは、とてもこんな展開になるとは思えなかったが、第4クオーターになってようやくエンジンがかかった攻撃陣は、2タッチダウン、1フィールドゴールで18点を獲得した。

延長戦でも2フィールドゴールを決めた。前半戦からすれば想像もできなかった展開だが、これがCFLの醍醐味だ。

ディフェンス陣も延長戦に入り、タッチダウンを決められそうになるところをなんとか踏ん張った。

この日は、ケガで、QBルーレイも、SBアーセノーも、Cハズバンドも、LBエリミミアンもケガで欠いた苦しい中での大逆転勝利。この日先発QBとしての役割を果たしたジェニングズにとっても自信を取り戻す嬉しい1勝となった。

プレーオフ進出に明るい兆しが見えてきた。

 

 

CFL第15週

ライオンズが3連勝で西4位に浮上! まだまだ分からないプレーオフ戦線!!

 

今日の勝利でライオンズはウィニペグ・ブルーバマーズを抜いて4位に浮上した。勝ち点は同じだが、試合数が一つ少なく負け数が少ないため順位が上がった。

崖っぷちから這い上がり、これで3連勝。この調子を維持すればプレーオフ進出も完全に射程圏内だ。

第15週を終え、なんだか西地区が混戦模様となってきた。今季は夏までカルガリー・スタンピーダーズを追いかける形で西地区トップ2を走り続けてきたエドモントン・エスキモーズが遂にサスカチュワン・ラフライダーズに捕まった。

前日竜巻が襲ったオタワ地区で22日にオタワ・レッドブラックスと対戦したエスキモーズは、一度は逆転に成功するも再逆転され15‐28で痛い星を落とした。そして3位に転落した。

これでなんと、これまで今季ずっと最下位を這っていたライオンズがエスキモーズに勝ち点2差まで迫った。プレーオフ進出への希望の光がずっと明るく見えてきた。

一方、ラフライダーズはトロントでアーゴノッツと対戦。すでにほとんど東地区のプレーオフ争いから脱落しているアーゴノッツだが、最後まで試合をあきらめることはなかった。前半からラフライダーズが大きくリードしていたものの、後半に猛追。それでも1ポイント及ばず、30‐29でラフライダーズが逃げ切った。

これで西地区はこの日試合がなかったカルガリー・スタンピーダーズが勝ち点20で相変わらず首位を独走。ラフライダーズが4ポイント差の同16で2位となった。

それから2ポイント離れてエスキモーズ勝ち点14、ラインオズ12、ブルーバマーズ12だ。2位から5位までが4ポイント差とまだまだ分からない。

東はというと、今季も相変わらず西高東低なCFLは、東のトップは勝ち点16としたレッドブラックス。2位は2ポイント差で追うタイガーキャッツ勝ち点14。プレーオフ進出の可能性は極めて低い3位アーゴノッツと最下位アロエッツはともに勝ち点6。

これからの注目はやっぱり西地区だ。CFLにはクロスオーバーというルールがある。昨年も西の4位が東の3位チームとしてプレーオフ出場するクロスオーバーが適用された。

今年もこのままいくとその可能性がかなり高い。全てのチームにプレーオフの可能性が残る西地区はまだまだこれから目が離せない熱い戦いとなりそうだ。

 

関連サイト: