旅の基本中の基本「お金」。カナダの通貨カナダドルについてシリーズで紹介します。
カナダドル、下一桁は基本的に二捨三入?! 1セントコインの使用を中止に
カナダの通貨はカナダドル。紙幣は5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドル。よく使用されているのは20ドル紙幣以下となります。
50ドル、100ドル札は偽札対策のため一定の方法で本物かどうか確認されることがあるの要注意。
硬貨は、5セント(ニッケル)、10セント(ダイム)、25セント(クオーター)、1ドル(ルーニー)、2ドル(チューニー)。
以前は1セント硬貨(ペニー)もありましたが、現在は使用されていません。鋳造中止となったためです。
使用されていないとはどういうことなの?というと、下一桁は基本的に四捨五入というか二捨三入となっているということです。
つまり、支払う時でも、おつりをもらう時でも、2セントまでは切り捨て、3セント以上は切り上げて5セントに、7セントまでは切り捨て、8セント以上は10セントになります。
分かるでしょうか?
例えば、1ドル2セントの買い物をした場合、支払う金額は1ドル。2セントは切り捨てられます。これが1ドル3セントの場合は、1ドル5セントを支払います。1ドル7セントなら、1ドル5セントに、1ドル8セントなら2ドルです。1セント硬貨を使わない仕組みになっているということです。
おつりをもらう時も同じ。1ドル97セントの買い物をして2ドルを支払った時は5セントのおつりがきますが、1ドル98セントの場合は2ドル硬貨を渡してもおつりはきません。
これは現金での支払い時のみ。クレジットカード、デビットカードを使用する場合は、額面通りの金額がカードに請求されます。
カナダドルはプラスチック製
カナダドル紙幣は数年前に全種類プラスチック製となりました。理由は偽札防止のためです。
出回り始めた当初は、薄くて紙幣がピッタリとくっ付いていたりしていました。そのため、よく確かめて支払わないと5ドルしか必要ないところを5ドル札2枚をくっつけて払ってしまったという話もありました。当時はよく「支払い時は確認して札を出すように」との注意がありました。
現在では、それほどまではなくなりましたが、相変わらず気をつけていないとくっ付いていることがあるので要注意。特に金融機関で両替した場合、新しいお札が多いので気をつけたいですね。気が付いた時にはお財布に思ったよりも現金が残っていないということも…。
もう一つのプラスチック製が引き起こす特徴は、折り曲がりにくいということ。お札を小さく折り曲げて、小さめの財布に入れるということができにくくなりました。せいぜい二つ折りくらいまで。
お国が変わればお札も変わりますね。
10ドル紙幣新デザインはカナダ初の黒人女性で、しかも縦型デザイン
2018年11月19日から10ドル紙幣の新デザインに、カナダで初めて黒人女性をモデルにしたデザインが発行されました。デザインに採用されたのは、ヴィオラ・デスモンドさん。
1946年当時、まだ黒人に対する差別が残る社会で毅然として差別に立ち向かい、ノバスコシア州での人種隔離政策を廃止するきっかけとなった人物です。
マニトバ州ウィニペグ市にあるカナダ人権博物館で式典が開催され、デスモンドさんの妹ワンダ・ロブソンさんが出席して、誇らしそうに10ドル札を手にした姿がニュースで報道されました。
カナダらしいエピソードです。