Vancouver Waterfront; File photo by ©Pacific Walkers
ここからの眺めが最も美しいバンクーバー・ウォーターフロント。File photo by ©Pacific Walkers

カナダ衛生保健局長テレサ・タム博士は3月16日に記者会見し、50人以上の集まりを制限すると発表しました。これにより、各地方自治体ではさまざまなコミュニティ施設の閉鎖などが発表されました。

しかし、5月に入り新型コロナウイルス感染状況が改善されてきたことから各地で規制緩和が実施され、6月にはさらに規制が緩和されています。

ブリティッシュ・コロンビア州の規制

ブリティッシュ・コロンビア州は6月24日ジョン・ホーガン州首相が規制緩和第3段階に入ると発表しました。映画館が再開するほか、ホテルやリゾートも営業再開、州内の旅行も可能となります。

BC州では3月16日に50人以上が集まるイベントや集会を禁止する命令を出しました。17日に公衆衛生非常事態宣言、18日にBC州非常事態宣言を出し、万全の態勢を取ると発表。以降、非常事態宣言は延長され続け、6月24日さらに2週間延長されました。7月7日までとなります。

州政府の非常事態宣言は、議会を通さずに迅速に新型コロナウイルス対策を実行するために発令されています。

規制緩和が最も厳しかった3月には、レストランやカフェではテイクアウトやデリバリーのみのサービスとなり、バーやクラブは閉店、美容院やサロンも閉店されました。違反している店舗や個人の集まりなどには罰金などが科せられる可能性があると3月26日にBC州政府が発表しました。

あれから約3カ月、ようやく少しずつ日常を取り戻してきそうです。それでも、BC州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士は、引き続きソーシャルディスタンスや手洗いなど感染拡大防止策を徹底するよう呼びかけています。

ここまでの主な経緯

4月20日ブリティッシュ・コロンビア州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士はこの日改めてこの夏に大規模なイベントの開催はほぼ不可能と言及。これを受け、バンクーバーで毎年開催されている、花火大会Honda Celebration of Lightプライドパレードが中止を発表しました。夏に開園する遊園地PNEもバーチャルでの開催を示唆しました。

5月6日ブリティッシュ・コロンビア州ジョン・ホーガン州首相は経済活動再開に向けた規制緩和計画BC’s Restart Planを発表しました。4段階による計画で、3月からここまでが第1段階、第2段階は5月中旬から、第3段階は6月から、第4段階はワクチン・治療薬開発後ということです。

詳しくはこちら:経済活動再開に向けた規制緩和計画 BC’s Restart Plan

BC州では5月12日から規制緩和第2段階に入りました。小売店やレストラン・カフェが再開しました。引き続き、Physical Distancingや手洗いの徹底などの対策が取られています。

6月1日からは学校が再開。州立公園の利用も再開されています。

バンクーバー市の規制

バンクーバー市は3月19日に非常事態宣言が市議会で可決しました。これにより市独自の対策が迅速にとれることになりました。

3月16日のBC州政府の50人以上の集会禁止を受け、市もバーやクラブの閉店を決定。さらに公園などの入場や図書館の閉鎖も決定しました。

ケネディ・ストゥワート市長は、BC州衛生管理局長がソーシャルディスタンスの徹底を要請しているにもかかわらず、市内で大勢が集まっている事例が絶えないことから、拘束力をともなう対応をすると3月23日に発表しました。

ソーシャルディスタンス違反者に対しては、個人のグループでは最高1000ドル、ビジネスでは最高50000ドルの罰金を科す対応が取られていました。

しかし5月から徐々に規制緩和が始まり、6月からはさらに緩和されています。ただ2メートルの間隔をあけるフィジカルディスタンスは続行されるため、再開される各施設では対策が講じられています。詳しくはこちら

バンクーバー市にあるスタンレーパークでは車両の乗り入れが禁止されていましたが、6月22日から1車線を車両用に、もう1車線を自転車用にと変更しました。ただフィジカルディスタンスを継続するために、車道を自転車レーンに、自転車専用レーンは歩行者専用にという対策は変わらないようです。

バンクーバー市は3つの屋外プール、キツラノ、セカンドビーチ、ニューブライトンの7月13日からの利用再開を発表しました。

市営の施設

現在、バンクーバー市で閉店、もしくは利用禁止となっている施設は以下の通りです。

公園:
スタンレーパーク・インフォメーションブースなど

人気の公園・ビーチに隣接する駐車場:
イングリッシュベイ、スタンレーパークの一部、その他にも小規模コミュニティセンター駐車場などは引き続き利用禁止

その他のスポーツ施設:
アイスリンク、プール(屋外プールは7月13日から)、フィットネスセンターなど

その他の施設:
バンクーバー図書館(一部7月17日から)、コミュニティセンター(カーネギー、エベリン・セイラー、ギャザリングプレース、ホームレスサービス・アウトリーチチームは除く)

詳細はこちら:
https://vancouver.ca/home-property-development/coronavirus-whats-closed-affected-or-still-open.aspx

レストラン・カフェについて

5月12日から規制緩和第2段階に入り再開となりました。ただフィジカルディスタンスや手洗いの徹底などの対応策は継続されています。

5月6日の規制緩和計画で第2段階で解除されることが発表されました。5月12日より再開可能となります。ただし、フィジカルディスタンスの継続を踏まえ、各レストランでは対応策を公に発表するよう5月7日の会見でDr.ヘンリーが要請しました。

これまでは、BC州では3月16日にパブとクラブ閉店の決定に続いて、21日午前0時よりすべてのレストランの店内飲食を禁止としていました。テイクアウト、デリバリーサービスのみとなっていました。

公共交通機関

メトロバンクーバーの公共交通機関は6月1日よりほぼ通常運行となっています。それに伴いフィジカルディスタンス(2メートル間隔)が取りにくい乗車中のマスク着用を推奨しています。トランスリンクでは独自のマスクも販売予定ということです。

バスについては運転手の安全を確保する観点から、3月20日に前方のドアからの乗降を禁止し、後方のドアのみの利用となっていました。前方の運転席に近い座席も使用できませんでした。そのため現金での支払いが不可能になることから、当面の間はバスの利用料金は無料となっていました。

しかし規制緩和に伴い6月1日からバスは再び前方からの乗車を可能として、無料対応も終了、1ゾーン料金が復活しています。

現在、スカイトレイン、バス、シーバス、ウエストコーストエキスプレスで減便運行となっています。詳しくはこちら https://alerts.translink.ca/

駐車場

4月30日から再び料金を徴収しています。

イベントの中止

5月6日ブリティッシュ・コロンビア州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士は規制緩和計画発表の中で、今年の夏は大勢の人が集まるコンサートや大規模なイベント、PNEなどの開催は不可能との見解を改めて示しました。この夏はいつもとは違った夏になるということです。プロスポーツも観客を入れての開催は不可能と説明しました。

しかし、PNE内にある遊園地プレイランドは7月10から再開です。

これに合わせて、各スポーツリーグやイベント主催者は今年の予定変更を余儀なくされています。一部ではオンラインでのイベント開催も予定されているようです。

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