夏が来た!妖艶なマンゴーのささやき

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mango
メキシコ産マンゴー。黄金色の果肉に、とろけるような甘い香りに誰もが一度ははまってしまう

夏が来た。といっても渡辺美里の歌ではない。(ちょっと古いか?)。バンクーバーに夏が来たのである。

今年は暑い。例年よりも暑い。7月なのに最高気温がすでに25度を超えた。夏の平均最高気温が25度のバンクーバーにとって、これは真夏に値する。街はもうすっかり夏真っ盛り。老若男女、露出度マックスで短い夏を満喫している。

夏をイメージするものは人それぞれ。私の場合は中途半端な最高気温よりも2つのフルーツが安くなると、夏が来た~と実感する。要するに色気より食い気だ。

一つはブルーベリー。これはブリティッシュコロンビア州の夏の特産だからこの時期になると日本では考えられない安さで出回る。しかも甘い。

そして、もう一つはマンゴーだ。

なぜにカナダでマンゴーなんだ?!と思うかもしれないが、この時期やたら安いのだから仕方がない。よく行く八百屋さんは、1個89セントから99セントで売っていることがある。生鮮食品には消費税はつかないから、1個90円くらいということになる。安いことこの上ない。

そしてこれがうまい!!キラキラと光る黄金色の果肉は、もう、まったりと甘くて、南国フルーツ独特の太陽の香りが口いっぱいに広がっていく。その「官能的」な魅力にメロメロとなりながら、「あ~夏が来た~」と思うのだ。

それにしても、どうして南国の食べ物はどれもこう魅惑的なのだろう。寒い国では得られない魅力がある。

その寒い国の代表カナダで、官能的マンゴーが安く味わえるのは、おそらくナフタのおかげだ。

ナフタとは、“North America Free Trade Agreement:NAFTA” 北米自由貿易協定のこと。カナダ、アメリカ、メキシコの3カ国で結ばれている。基本的にはこの3カ国間の貿易を促進するために関税をなるべく低く押さえましょうというもの。政治的なことだから特例などややこしいことはあるが、マンゴーの場合カナダでは栽培されないのだから関税を高くしておく必要はないということではないだろうか。

これが事実かどうかは分からないが、当たらずも遠からずと言ったところか。どちらにしてもマンゴーが安くて美味しく食べられるなら文句はない。

飛行機ではるばる運ばれてくる果物が一つ1ドルとはどういう仕組みかとも考えないでもないが、その魅力に盲目的に取り憑かれている私には、そうした理不尽が見栄隠れしても抗うすべはないのである。

では、食べ頃のサインでも伝授するとしよう。それは「マンゴーの囁き」である。

「食べて、食べて、私を食べて」と、その前を通るたびに、妖しく、艶やかな香りとともに囁きかけてくる。そうしたら、もう、嫌でも身体が反応してしまうはずだ。その時こそが食べ頃だ。そしてその先には、魅惑的な快感が待ち受けているのである。