ピョンチャンパラリンピック開会式でバンクーバーを思い出す

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It’s “SUMI” of the mascot of Vancouver Paralympics flying in the opening ceremony! March 12, 2010
バンクーバーパラリンピックのマスコット「SUMI」が空から登場! March 12, 2010

始まりましたね、ピョンチャンパラリンピック。開会式よかったですよね。韓国らしさがよくでていた開会式でした。

バンクーバーパラリンピックの時はどうだったかというと、カナダを代表する障がい者スポーツ振興してきた人々のこれまで活動を称え、スポーツが障がい者に与える勇気と希望を演出していたと思います。

Mr. Terry Fox’s mother talking to media. March 12, 2010
テリー・フォックスさんのお母さん。March 12, 2010

バンクーバーパラリンピックの時はどうだったかというと、カナダを代表する障がい者スポーツ振興してきた人々のこれまで活動を称え、スポーツが障がい者に与える勇気と希望を演出していたと思います。

その代表がテリー・フォックスさん。自身がガンで片足をなくし、ガン研究への寄付を呼びかけるため片足義足でカナダ横断を決行。最初は非難されながらも、悪天候にも負けず続ける姿は、やがて人々を動かし、支援の輪が広がりました。しかし、再び病魔が彼を襲い、横断を途中で中断。結果的には中止を余儀なくされ、そのまま帰らぬ人となってしまいました。

しかしその後、彼の意思は世界中の人々に受け継がれ、今ではテリーフォックス・ランとして世界中でチャリティランニングが行われています。

バンクーバーパラリンピックでは、テリーさんのお母さんベティ・フォックスさんが夫ろりーさんと共に聖火リレーに参加しました。ベティさんは彼の活動を支えた一人で、彼が亡くなってからは彼の意思を継いでテリーフォックス・ランを開催しました。残念ながら2011年に他界しました。

Introducing Mr. Terry Fox’s activity, life, and dream with photos at the venue. March 12, 2010
テリー・フォックスさんの映像が会場いっぱいに映し出される。March 12, 2010

他にも、現在でも積極的に活動しているリック・ハンセンさんの活動を紹介したり、障害を持ちながらもダンスや音楽で活躍するアーティストたちが車いすや杖をついた状態で、舞台でパフォーマンスを披露したりと、見ている人々を驚かせる演出が盛りだくさんでした。

バンクーバーパラリンピックの会場は、屋根のあるBCプレース。屋内会場のため、寒さとの戦いもなく細かく自由な動きができたのかもしれませんね。

一方、今回のピョンチャンはいかにも寒そうな感じ。それでも屋外ステージのダイナミックな演出がとてもきれいでしたよね。

開会式はそれぞれに特徴があって非常に面白いです。

関連記事:全国で開催!「マラソン・オブ・ホープ」の意思を継ぐテリー・フォックス・ランに参加しよう!!

 

観客と共に演出したバンクーバーパラリンピック開会式

またバンクーバーパラリンピック開会式では、会場にいた観客もパフォーマンスの一部でした。

座席ごとに色の違ったポンチョをまとって、手にはライトを持って、開会式の演出の一部となっていました。開会式に参加できた感じですごく楽しかったのを覚えています。

躍動感や国の威信のような大げさな演出が多いオリンピックに比べて、パラリンピックはどことなく優しさが溢れているのが特長だった気がします。

それは大会全体を通しても感じられた感覚でした。アスリートの能力の高さと人間の持つ可能性のすごさを見せつけられるパラリンピックですが、競争原理の働くスポーツ大会でも、どこか優しい雰囲気が漂うのがパラリンピックの良さだと思いました。

「自分たちが人の助けを借りないと生活に支障をきたすことが多いことを知っている障がい者が発する『ありがとう』の気持ちが常に彼らの周りを覆っているからではないかな」と知り合いのカメラマンが言っていました。

それは、障がいの有無に関係なく、みんな同じこと。そんな気持ちに気づかせてくれることもパラリンピックの魅力かもしれません。

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