オリンピック開催でその都市を象徴するものとして作られるものが結構ありますよね。
大きなものでは、競技会場。バンクーバーオリンピックでもいくつか作られました。これはまた後日に紹介。
開催のずいぶん前から用意されるのが、大会エンブレム。バンクーバーオリンピックの時は「イヌクシャック」をモチーフにしたエンブレムになりました。「イヌクシャック」はこのサイトにも何回も出てきます。
そしてもう一つ、いつまでも愛され続ける可能性のあるもの。そうマスコットです。
バンクーバーオリンピックの場合は、3つのマスコットが公式に発表されました。Quatchi, Miga, Sumiで、名前も姿もまるで日本のアニメーションのようと称賛と批判がありました。
これはバンクーバーオリンピック・パラリンピック実行委員会(VANOC)が依頼したデザイン会社による制作で、それぞれブリティッシュ・コロンビア州の先住民族に親しまれている動物をモチーフにしたものでした。
子どもたちの受けもよく、見た目もかわいく、最初の批判はあっという間に消え、人気がありました。
しかし…ここに、「地元のマスコットを無視している」という批判の声が上がりました。マスコット論争です。笑。
“Mukmuk”を公式マスコットに!!
最南端にブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアがある、バンクーバーの西に位置するバンクーバー島には、以前から“Mukmuk”というマスコットがいたようです。
元々はこの地域で絶滅の危機にある動物マーモットを救うためのもので、州民の思い入れがあるマスコットでした。
それにもかかわらず、2007年11月に発表されたオリンピックマスコットには選ばれず、オリンピック委員会はMukmukをオンラインで紹介するに止めました。
しかし、「Mukumukを公式マスコットに運動」が勃発。“Mascots have feeling!”とサポーターが運動を起こしました。もちろん州民もメディアも応援しましたよ。
それが功を奏してか、遂にオリンピック委員会の「公認非公式マスコット」として、2008年11月にオリンピックマスコットの仲間入りをしました。
1年間オンラインに閉じ込められていたMukmukはこうして晴れてオンラインの檻から解き放たれました。というストーリーでした。ただ最後まで公式マスコットにはならなかったようです。
それから町の広告などにもMukmukの姿が見られるようになりました。もちろん、公式ストアでのグッズ販売もありました。
あまりにも微笑ましいエピソードです。こうしたいきさつもあり、どうやらマスコットの中では一番人気だったようです。非公式な話ですが…。
オリンピックマスコットって意外とそのオリンピックが終わると忘れられるものですが、バンクーバーのQuatchi, Miga, Sumi, そしてMukmukは今でも愛されているようです。
街でカバンなどにつけている人を8年経ってもまだ見かけます。もちろん、私も大事に取っていますよ。