カスケディア杯:MLS北米西海岸北部のライバル3チームによる誇りを掛けた戦い

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Cascadia Cup on Oct 23 2016 at BC Place. Photo by ©Koichi Saito
Cascadia Cupを受け取るキャプテン・モラレス。2016年10月23日。Photo by ©Koichi Saito

 

カスケディア杯とは?

 

バンクーバー・ホワイトキャップスFC、シアトル・サウンダーズFC、ポートランド・ティンバーズの3チームによるライバル対決の頂点に立ったチームが手にする優勝杯がカスケディア杯だ。

その歴史は結構長く、3チームがMLS(メジャーリーグサッカー)に昇格する前の2部リーグ時代から続く。

The Cascadia Cup.Comによると、2004年に各チームのサポーターによって始められたという。当時、3チームは2部リーグUSL(United Soccer League:現在は3部リーグ)に所属していた。

2009年にサウンダーズがMLSに昇格すると、ホワイトキャップス、ティンバーズの2チームでカップ争奪戦が繰り広げられた。そして2011年、両チームがMLSに昇格し、再び3チームでカップを争っている。

 

MLSレギュラーシーズンの直接対決でカスケディア杯優勝を決める

 

ルールは簡単。特別に対戦するわけではなく、MLSレギュラーシーズン中に3チームが直接対決した勝ち点で優勝を決める。

ホワイトキャップスとティンバーズがMLSに昇格した2011年以降、レギュラーシーズンでは2試合ずつ対戦している。

つまり、ホワイトキャップス対サウンダーズが2試合、ホワイトキャップス対ティンバーズが2試合、サウンダーズ対ティンバーズが2試合。

シーズンを通して各チーム4試合の直接対決があり、最も勝ち点が多いチームが優勝杯を手にする。

 

2017年シーズンはティンバーズがカスケディア杯を獲得

 

昨季はティンバーズが優勝して、優勝杯を獲得した。

2016年シーズンはホワイトキャップスが6度目のカスケディア杯を獲得。3チームでは最も多い。サウンダーズとティンバーズは4回優勝している。

サウンダーズは2015年にMLS杯優勝、2016年は準優勝と、3チームの中では圧倒的にリーグ内での存在感を示しているが、カスケディア杯は意外と少ない。

ただサウンダーズは参加していない期間があるので、その影響はもちろんあるとは思うが、それでも意外とカスケディアライバルには苦戦しているということだろうか?

今季はここまでサウンダーズが2勝1敗6ポイントで首位、2位は1勝1敗2ポイントのホワイトキャップス、3位が1勝2敗2ポイントのティンバーズだ。

ホワイトキャップスは、15日にBCプレースでサウンダーズと対戦する。そして、今季レギュラーシーズン最終戦をやはりホームのBCプレースで10月28日ティンバーズと対戦する。

今季カスケディア杯を掲げるのはどのチームか?

プレーオフを逃しても、相手が昨季優勝チームでも、このライバル対決だけは負けられない!そんなライバル3チームとファンによるカップ争奪戦なのである。

 

 

 

なぜカスケディア杯というのか?

 

カスケディア杯というのは、この3チームがホームとしているこの辺りの地域の名前から来ている。カスカディアと日本語表記していることもあるが、発音からするとカスケディアがしっくりくる。

北米西海岸のカナダ・ブリティッシュコロンビア州南部からアメリカ・ワシントン州、オレゴン州にかけての地域を「カスケディア地方」という。

名前の由来は、その昔、この地域にカスケディア共和国という独立主権国家を提案した動きがあったとかで、それが定着しているらしい。

カスケディア:Cascadiaの語源はCascadeで水が滝のように流れるという意味。この地方が秋から春にかけて雨が多いことが由来ではないかと思われる。

そして、この地方をホームとするこの3チームが直接対決して争う優勝杯に、カスケディア杯と名づけられている。

なかなかいい名前だと思うが、どうだろうか?