Vancouver Sun Runがバンクーバーの春の風物詩としてすっかり定着していることは以前に紹介した。
このイベントに1度も参加したことがないという人の方が少ないのではないかと思うくらい知られたイベントだ。
ということは、もちろん、以前に参加したことがある。実は2回。1回目はもう15年くらい前のことで、結構楽勝だったことを覚えている。だから少々期間は空いていても、まあ10キロぐらいなら平気ではないかと高を括っていた。しかし…。
以下は当時の体験談。
いよいよあと1週間を切った!
Sun Runまでいよいよあと1週間を切った。今のところ、あまり天気は良くなさそうだが、マラソン日和と言えなくもないような天気となりそうだ。
1週間を切ったからには、もう準備は万全と言いたいところだが、なかなかそううまくはいかない。まず、仕事がある。かなりの言い訳。さらには、天気もある。雨の日に走って風邪をひいては元も子もない。またまた、かなりの言い訳だ。
ということで、練習はあまりうまく進んでいない。しかし、10キロぐらいなら大丈夫だろうと実は高を括っていた。
10キロ完走!!しかしヘロヘロでゴール…
当日は朝から小雨が降っていたが、レース前には止んだ。それでもかなり寒かった。
出発地点は人でごった返していた。毎年約4万人が参加するレースである。誰でも好き勝手にスタートできるわけではない。参加登録時に自己タイムを事前登録して、そのタイムに応じて出発する位置が決まる。
エリートランナーと呼ばれる人たちが一番スタート。次に30分~1時間くらいで完走できるランナー、その後は1時間~2時間くらいと5クラスくらいに分かれている。
各クラスはゼッケン番号の色が違っているので、横入りすると分かるようになっている。が…実際のところは、人でごった返して分からないので、結構勝手にしているようだ。その辺は、良くも悪くも適当な国民性だから許容範囲である。
そして走り始めるとそんなことは気にならないのだ。というのも、ドンドン後ろから追い抜かれるからである。
いや~、参った。以前に参加したのはちょうど10年前。その時の感覚では「楽勝」だった。その時は伴走者がいたので、その人に合わせてゆっくり結構歩きながら進んだ。後半はしびれを切らして相手のことなど構わず、走り出してしまったほどだから、練習不足とは言うもののなんとかなると高を括っていた。
バテバテの後半戦
甘かった。後半バテた。やはり前半のスピードがいけなかった。
出発してすぐコースはしばらく緩い下り坂になる。出発直後とあって、みんな張り切って走る。しかも、この日は朝から寒い上に、出発までに1時間くらいは待たされたから、もう、みんな出発のピストル音を聞いたとたん、いきなりスイッチが入って、もうダッシュをかけたのだ。
で、やっぱり抜かされたくないわけである。練習不足だし、自分が速くないと分かっているわけだし、息切れしない程度にゆっくりとマイペースで行けばいいやと頭では分かってはいるが、あとからあとからやってくる走者に抜かれるとやっぱり焦るし、くやしい。特にゼッケン番号が自分より後ろの人間に抜かれるのは厚かましいとは思うがショックである。
ということで、前半に実力以上のハイペースで走ったため、後半はバテた。8キロ地点から、すでに両膝の外側が痛くなり、足の付け根が痛くなり、沿道で応援してくれる声援がうっとうしくなった。これはいただけなかった。
それでも何とか完走。清々しいとは程遠い、疲れだけが残ったレースだったが、参加してよかったとやせ我慢しながら思った。参加しなければよかった…なんて思うと悔しさが増す。それに結構な参加料も払っているから、絶対に参加しなければよかったなんて言いたくないのだ。
それに、それなりの収穫もあった。「もう二度と走りたいと思わないだろう」と分かったことだ。それでも誘われたら、やっぱり走るだろうなぁ。
後日談
この記事を書いたのは2014年に参加した直後だった。その後、Sun Runには残念ながら参加していない。この大会は、参加者の登録料が寄付される仕組みとなっているため、参加者もその辺りはなんとなく気持ちよく走れたりする。
毎年多くのランナーが参加し、今では国内最大のチャリティ・ランニングとも言われている。中にはコスチュームをまとった参加者もいて見ているだけでもなかなか楽しい。
興味がある人はぜひ。参加登録は直前まで受け付けている。
関連記事: