バンクーバー国際映画祭(VIFF)が始まり早3日。劇場前では付箋をたくさん付けたパンフレット片手に「今年は15本、いや20本は見るつもり」、などと笑顔で語り合う映画ファン達の楽し気な会話が聞こえてくる。
多くの人が通常は足を運ばないジャンルの映画や、大手劇場では公開されることのない海外の作品、ドキュメンタリーなどを積極的に楽しんでいる様子がうかがえて、この映画祭の時期ならではの雰囲気がバンクーバーを包んでいる。
映画を通じて広がる世界観、まさに映画祭の醍醐味はそこにあるのかも知れない。
VIFF300作品以上ある中からおススメの話題映画を紹介!
VIFF映画紹介第1弾は邦画を取り上げた。もうすでに見たという人もいるのでは?そうだとすごく嬉しい。
そこで今回は独断ながら日本映画以外の注目作品を紹介しよう。
「SHADOW影」(チャン・イーモウ監督)中国
中国を代表するチャン・イーモウ監督の最新作。三国志時代に生きる影武者たちの物語を描く歴史大作アクション。ベネチア国際映画祭、トロント国際映画祭などでも上映され話題を呼んだ作品。
上映日時:
10月6日 (土) 5:45 pm
10月 8日 (月) 3:00 pm
上映会場:
The Centre in Vancouver for the Performing Arts (777 Homer St., Vancouver, BC, V6B 2W1)
「Sharkwater Extinction」(ロブ・スチュワート監督)カナダ
2006年公開の第一作「シャーク・ウォーター」以来、世界中でサメの保護を訴えてきたカナダ人のロブ・スチュワート監督の遺作。
サメの保護を訴え自ら海に潜り、その美しくも神秘的な姿を映像に収めてきたが、フカヒレや化粧品のためのサメの乱獲は一向に減る気配がない。
危機的状況を訴えるべく続けていた続編の撮影中だった昨年、スチュワート監督が海で事故死した。その故人の遺志を継ぎ完成されたのがこの作品。自分たちが大自然の一部であることを忘れた人間の傲慢さを思い出させてくれる珠玉の一本。
上映日時:
9月30日 (日) 2:00 pm
上映会場:
International Village (88 West Pender Street, Vancouver, BC, V6B 6N9)
「Boy Erased」(ジョエル・エドガートン監督)アメリカ
キリスト教系のゲイ「矯正」(コンバージョンセラピー)施設に送り込まれた少年の葛藤を描く。ルーカス・ヘッジス、ラッセル・クロウ、ニコール・キッドマンらが出演する。同性愛を「治すべき」と本気で考える人々とその渦中にいるゲイの少年、そして家族の愛の物語。
上映日時:
10月6日(土) 9:15 pm
上映会場:
The Vancouver Playhouse (600 Hamilton St, Vancouver, BC, V6B 2P1)
The Front Runner (ジェイソン・ライトマン監督)アメリカ
映画祭クロージング作品。「グレーテスト・ショーマン」のヒュー・ジャックマンが不倫報道で大統領選主力候補から転落した政治家、ゲイリー・ハートを演じる。
脚本に協力したのはヒラリー・クリントンの元報道官ジェイ・カールソン。政治家の私生活に対する報道の在り方について問いかける作品。
上映日時:
10月12日 (金) 6:30 pm
上映会場:
The Cetre in Vancouver for the Performing Arts (777 Homer St., Vancouver, BC, V6B 2W1)
「Jane」(ブレット・モーゲン監督)アメリカ
世界的に著名な霊長類学者ジェーン・グドール博士を追うドキュメンタリー。博士が初めてアフリカの渡ったころから始まる未公開映像をまとめ現在に至るまでの軌跡をたどる。
会場にはジェーン・グドール博士が参加しQ&Aセッションを行う予定。
上映日時:
10月4日(木) 6:30 pm
上映会場:
The Centre in Vancouver for the Performing Arts (777 Homer St., Vancouver, BC, V6B 2W1)
ほかにもヨーロッパ各地、アジア、南米からの作品など非英語圏の作品も多数ラインアップしている。映画を観たあとは今まで遠かった世界が少し違った視点から見えて来るかも知れない。
とにかく、まずはパンフレットを手にしてみよう。
スケジュールやチケットの購入は映画祭(VIFF)サイトから
オンラインで完売の場合でも当日券が若干販売されるので、あきらめずに早めに行って並んでみることをお勧めする。
バンクーバー国際映画祭ウェブサイト: https://www.viff.org