Vancouver Waterfront; File photo by ©Pacific Walkers
ここからの眺めが最も美しいバンクーバー・ウォーターフロント。File photo by ©Pacific Walkers

中国で依然として猛威を振るっている新型コロナウイルス“COVID-19”ですが、バンクーバーでの新たな感染者はなかったと11日にブリティッシュ・コロンビア州保健省が定例会見で発表しました。すでに発表されている感染者4人についても快方に向かっているということです。

カナダ政府が手配した中国湖北省武漢からの帰国者を乗せたチャーター機第2便は11日にバンクーバー空港を経由してオンタリオ州トレントンのカナダ軍基地に到着しました。第1便の帰国者とは別棟で14日間隔離されるということです。

カナダ政府は改めてカナダ国内での感染の広がりについて可能性は低いとの見方を強調しました。

BC州公衆衛生局長ボニー・ヘンリー博士はは引き続き手洗いの徹底などに努めてほしいと語りました。

バンクーバーでの新型コロナウイルス感染者は4人

ブリティッシュ・コロンビア州保健省は6日にバンクーバー・コスタル・ヘルス担当区域内(バンクーバー、リッチモンド、ノースバンクーバーを含む)で新型コロナウイルスに感染した患者が2人確認されたことを発表しました。

4日に発表した1人と先月28日に確認された1人と合わせて4人となりました。

BC州保健省は全員の症状は軽く、自ら自粛行動をとっていたため大きくは広がっていないと説明。BC州内で新型コロナウイルスの感染が劇的に増加する危険性は依然として低いことを改めて強調しました。

BC公衆衛生局長ボニー・ヘンリー博士によると、ウイルス感染への予防策で最も効果的なのは手洗いとのこと。手洗いを徹底し、咳やクシャミをする場合は、手ではなくて腕で口を塞ぐよう注意を促しています。

また現在はインフルエンザや風邪が流行する季節でもあります。健康な若者が新型コロナウイルスに感染した場合、非常に症状が軽く、軽い風邪の症状に似ている傾向があるとのことで、武漢への渡航歴がある家族や友人などと接触した可能性がある場合は、症状に注意してくださいと呼びかけています。

カナダは湖北省渡航歴のある外国人の入国拒否対策は取らないとカナダ保健相

アメリカでは感染を防ぐためとして公衆衛生のための緊急事態を1月31日に宣言して、中国の湖北省に滞在歴のある外国人の入国拒否や中国湖北省を訪問したアメリカ人の隔離などの対策を発表していますが、カナダはアメリカに続いて同様の対策を取ることはないと発表しました。

カナダ保健省パティ・ハイデュ大臣は、アメリカのような宣言をする根拠がないと理由を説明しています。

現在のカナダでの水際対策は基本的には自己申告です。カナダの主要空港バンクーバー、トロント、モントリオールの各空港で海外からの渡航者が到着したロビーに「武漢を訪問した人で風邪に似た症状がある人は国境警備サービスに報告してください」というメッセージを流しているほか、入国時に申告する電子入国審査機の質問事項に関連する質問を加えているということです。

カナダでの感染拡大の可能性は低いとトルドー首相

これまでにBC州で4人、オンタリオ州で3人の感染がカナダ国内で確認されていますが、カナダ保健省パティ・ハイデュ大臣はカナダ国内での感染拡大の可能性は低いとの見方を示しています。

連邦政府、州政府、医療機関や保健機関と連携して情報を共有、万全の対策を取っていると自信を見せています。

ジャスティン・トルドー首相も、国民や関係者の「全員が迅速に責任ある行動をとっている成果」と述べ、カナダ国内での感染拡大の可能性が低いことを改めて強調しました。

カナダ政府はカナダ国民に対して中国への渡航を控え、中国からの退避を勧告しました。どうしても必要でない限り、できるだけ中国滞在を避けるように喚起しています。

エアカナダはすでに中国・北京、上海への直行便の運航を2月末まで見合わせています。

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