バンクーバー夏の風物詩グラウスグラインド

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grouse grind
果たして頂上まではここからどれくらいあるのかなぁ。スタートして間もなく弱音が・・・。

今年もこの季節がやって来た!

そう、今年もこの季節がやってきた。毎年、夏になると、自らの体力を試そうとこの山にやってくる。「今年もグラインドに挑戦だ!!」と意気込んで麓までは行くものの、いざ出発地点に到着するとやはり来るんではなかった…と怯んでみたりする。

それがグラウスグラインドだ。

グラウスグラインドとは、ノースバンクーバーにあるグラウスマウンテンに設置されたハイキングコース。とはいっても、ハイキングとは名ばかりの急斜面を上る山登りのようなコースである。

グラウスマウンテンには頂上まで登るロープウェイが運行している。そのすぐ横にこのグラインドのコースが通っている。ときどき、ロープウェイのゴンドラが木漏れ日の向こう側に見え隠れする。それだけで、このコースがどれだけ急かわかるだろう。

grouse grind start point
グラウス・グラインドのスタート地点。いざ!!

友人に誘われて、今年も覚悟を決めて「いざ!!」と登り始めるものの、すぐに後悔する。「なぜ今年も来てしまったのだろう…」。過去に経験した地獄の1時間が走馬灯のように駆け巡る。それだけで足取りは重くなる。なんとも情けない。

しかし、登り始めたからには登りきらなければならない。引き返すという選択肢はないのだ。「まるで人生のようだ」などと思いつつ、とにかく、一歩一歩、登っていく。

grouse grind half
ようやく1/2地点に到着!!

1/4の表示が見えて、時間を確認すると遅々として進んでいない自分の歩みを思い知らされ愕然とする。1/2の表示が見えて「やっと半分か~」と、ホッとするやら、ガッカリするやら。

それでも登り続ける。時々休みながら、時々誰かに抜かれながら、時々リスにも笑われながら、それでも一歩一歩登っていく。

そのうち頂上が見えてくる。あと5メートル、あと10歩、もうそこ。そして「登頂~!!」。気分は最高に清々しい。登り切ったという達成感と充実感が「今年もできた、まだまだ大丈夫」と自分自身に太鼓判を押すのだ。頂上から見下ろすバンクーバー市街の景色も違って見える。

「これだから止められない!!」。そうしてこれを経験した誰もが毎年この山に向かい、グラインド中毒にかかっていくのである。

grouse grind roapway
下りはこのロープウェイで降りる。眼下に広がるバンクーバーの街並みが違った景色に見える

毎年、その年の天気によって、コースがオープンする日が決まる。今年は雪が多かったせいで遅い開幕となった。そのせいだろうか? 今年はなんだかいつもより人が多い。

ちなみに、1時間で登りきるとまずまずと言われている。初めてなら1時間半くらい。早い人になると30分。こうなるともうハイキングというよりはレースである。こうしたエリートグラインダーは我々の横を駆けあがっていく。初心者は決して真似をしないことである。

短いバンクーバーの夏の風物詩とも言える「グラウスグラインド」。バンクーバーに来た時はぜひ一度体験してみてはいかがだろうか。

グラウスグラインド

長さ:2.9キロメートル
標高差:853メートル
出発地点:海抜274メートル
標高:1127メートル
年間15万人がグラインドに挑戦している
平均時間:約1時間30分
参加年齢:7歳から90歳まで
階段の数:2830段
ハイキングコース料金:無料(帰りはゴンドラで降りるため乗車券代10ドルが必要)

www.grousemountain.com/grousegrind

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