鯉派?カワウソ派?バンクーバーを2分する市民論争へ?!

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Dr. Sun Yat-Sen garden, Chinatown, Vancouver; Photo by ©Pacific Walkers
バンクーバー・チャイナタウンにある紅い提灯が目印の中山公園入口。Photo by ©Pacific Walkers

 

今、バンクーバーが今真っ二つに割れている。鯉派か、カワウソ派か。バンクーバーに降って湧いた大論争?!は、どちらの生き物が好きかといった話では実はない。

これはもっと深刻な話だ。

発端は、観光名所の鯉が食い散らかされていたことだった。どうやらこれが野生のカワウソの仕業と分かり、街を二分する応援合戦へ。

鯉が食べられているのが分かったのは、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市チャイナタウンにある観光名所の一つ中山公園。落ち着いた佇まいが人気の中国庭園で、観光客や地元の人々の人気スポットとなっている。時々は映画やテレビドラマの撮影場所としても使用されるお馴染みの場所。

ここに飼われている1匹10万から50万もする鯉が次々と食われたのである。これはたまらないとバンクーバー市公園庁が乗り出し、カワウソ捕獲作戦を展開。しかし賢いカワウソには通用せず、仕掛けられた罠は餌だけが取られる始末。

今月17日にカワウソが最初に目撃されてから、14匹いた鯉はすでに10匹が犠牲になってしまった。

それではと、今度は鯉を捕まえて同市バンクーバー水族館に避難させる作戦へ。しかし、人間の必死の試みを知ってか知らずか鯉はなかなか捕まらず、捕獲に成功したのは1匹のみ。

池に入れば水が濁って鯉が見えなくなり、鯉の捕獲もなかなかうまくいかず、鯉救出作戦は一向に進んでいない。

そんな中、バンクーバー市民は鯉派とカワウソ派に分かれ、ソーシャルネットワークで応援合戦が始まった。どちらが逃げ切れるかということのようだ。

鯉派はチーム鯉 #TeamKoi、カワウソ派は #TeamOtter。ちなみにバンクーバーでは鯉はCarpではなく日本語読みをそのまま使ったKoi。街の論争よりも、こちらの方が結構新鮮な驚きだった。

さて、この応援合戦だが、各チームがバッチを作って売るほどヒートアップしている。報道によるとカワウソ派が優勢らしい…。しかもカワウソ派はツイッターアカウントまで持っている。

この池には魚齢50歳とも言われる鯉もいるという。名前は「マドンナ」。まだ犠牲になっていないらしい。

さあ読者ならどちらを応援するだろうか?心情的にはやはり鯉を応援したい。何とか4匹だけでもカワウソの魔の手から逃れて長生きしてほしいものだ。

 

最新追加情報:

残った4匹の鯉は無事バンクーバー水族館へ移動。ひとまずカワウソによる全滅の危機からは脱出した。カワウソ捕獲作戦は相変わらず続けられている。

一部のニュース番組では、鯉に対する中国人、日本人の思い入れを紹介。文化によって動物による思いが違うことは多文化主義のカナダでは十分考慮されるべきだとの意見が出された。

納得! あんなに無残に食い荒らされた鯉の姿を見るのはやはり忍びない。ちなみに「マドンナ」も犠牲になったことが分かった。残念…

捕獲作戦中一時閉園していた中山公園は再開した。

 

 

 

販売されている #TeamKoi #TeamOtter のバッチ。収益金は動物愛護団体に寄付される

 

マジで #TeamOtter の勝利なわけ?! う~ん…

 

File with The Pacific Post.jp