なにかと物議を醸すバンクーバーのタクシー業界に新しい形のサービスを提供するという「Kater」が3月30日から始まる。
新しい形のタクシーサービスとは?ライドシェアとは少し違う?
3月21日に発表されたところによると、「Kater」はタクシーとライドシェアの「ハイブリッド」なサービスだという。
「Kater」はタクシー会社ではなく、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州に拠点を置くテクノロジー会社で「テクノロジー会社が革新的な輸送手段の解決を創造した」と語っている。
その輸送手段の形態は完全にタクシーサービスで、料金もほぼタクシー並み。ドライバーはタクシーライセンスのクラス4を取得していることが条件で契約制。ほとんどタクシーのようなもの。
しかし、利用方法が「Uber」や「Lyft」のように専用アプリを使った完全予約制で、タクシー待合所や街を走るタクシーを捕まえるという形は取らない。
ただライドシェアが導入している需要が高くなった時に料金を上げる「料金上昇制」は採用しないとしている。
まずはライセンスを取得した140台で開始。当面のベータでの試用期間はバンクーバー市のみでの乗車となるが、ローワーメインランドまで広げていくと予定としている。
バンクーバーでのライドシェア「Uber」や「Lyft」の導入は?
世界的な広がりを見せるライドシェア「Uber」や「Lyft」のBC州導入は早くても今年後半になりそうな気配だ。
BC州前自由党政権は2017年には導入を予定していたが、その年の選挙で負けたため、実現せず。政権交代した新民主党政権は導入に慎重な姿勢で、ジョン・ホーガン州首相は導入を約束はしているものの、正確な時期は明言していない。
それでも今年後半には目途が付きそうな雰囲気だ。なぜ遅れているのかは政治的な理由で特に法律的に問題があるという訳ではなさそうだ。
バンクーバーのタクシー業界は、利用客数に対してタクシーの台数が圧倒的に少ない上に、乗車拒否やタクシーを捉まえにくい状況などが度々報道され、評判はあまり良くない。
その問題解決の一手段としてライドシェアの導入を訴える声がかなり前からあるが、現実的には遅々として進んでいない状況。「Kater」の出現で少しでも状況が改善されることが期待される。
利用方法や料金設定などの詳細はサイトを参照。アプリはアップルとアンドロイドに対応している。
KATER
https://www.kater.com/
Hey Vancouver, your Kater car is on its way! Sign up now for a chance to be part of our beta testing, launching March 30th! https://t.co/iOKL4y395G pic.twitter.com/78gGK9PNo2
— Kater (@rideKater) 2019年3月21日