バンクーバーは自転車天国

715
Bikelane Vancouver, BC, Canada
町中の道路に設置されているバイク専用レーン。

バンクーバーは自転車天国だ。なにをもって自転車天国というかは意見が分かれるところだが、「自転車に乗っていて気持ちがいい街」という定義はどうだろう。

この定義が成立するにはいくつか条件がある。一つは、安全性。自転車と自動車はもちろん、歩行者や車椅子、ストローラーなど、道路を使う全ての人が、一定の「社会的」交通ルールを守って、道を使っていることが絶対条件だ。

この町は、強者から弱者への順序が比較的「社会通念」として浸透している。だから、自転車を運転する人は、自分より弱い立場となる歩行者や車椅子利用者に道を譲る。自動車は自転車と道を共有するというシステムが成り立っている。

自動車と自転車の道路共有システムは、どんどん進み、今では自転車専用道路(バイクレーン)がない道路はないほどだ。それは、バンクーバーの市町村行政が率先してバイクレーンを整備しているためだ。

実はこれについては賛否両論ある。自転車レーンができたために駐車できずに、その道路沿いの商店の売り上げに影響が出るというもの。それでも、行政は今も着々と自転車レーンを作り続けている。

その方法が、道路を拡張するのではなく、自動車レーンを1レーンまるまる自転車レーンに変更するというちょっと強行的なやり方だから、自動車利用者からも渋滞を引き起こすという反対があった。

もう10年以上前、この方法で、バンクーバー市街からダウンタウンに入るバラードブリッジに自転車レーンを作ることを市が提案した時は大反対があったそうだ。そのため、結局は実現しなかったのだが、数年前に同じ提案をした時は、ほとんど反対がなかった。これも時代の流れだろう。

バンクーバー市は今、2020年までに「世界一グリーンな町」を目指して、さまざまな取り組みをしている。これを提案したのは、2009年に市長に当選したグレゴール・ロバートソン市長。もともと「ハッピープラネット」というオーガニック野菜果物ジュースを製造する会社の創設者であり、オーナーであったロバートソン氏は、環境問題について考えるところがあったようだ。会社設立の前はオーガニック農家を営んでいたらしい。

ロバートソン市長が誕生して、バンクーバーは飛躍的に自転車レーンが増えた。サイクリング愛好家や環境保護団体などからは、歓迎の声が上がっている。

その他にも、バンクーバー広域圏を網羅する公共交通機関「トランスリンク」が運営するバス、スカイトレイン(モノレールのような乗り物)、シーバス(バンクーバーダウンタウンとノースバンクーバーをつなぐ船)には、自転車を無料で乗せることができる。そのため、少々遠くても、公共交通機関に自転車を載せて近くまで出勤し、そこから自転車という方法も取ることができる。

こうした人とシステムのバランスが取れた現状がバンクーバーを「自転車天国」というに相応しい街にしていると思う。

真夏のこの季節でも、最高気温が25度程度のバンクーバーは、これからまさに自転車の季節。街中がサイクリングコースとなっている。爽やかな風とキラキラした太陽の光を受けながら走るバンクーバーの町はとても気持ちがいい。

Bike Vancouver Environment
自転車をチェーンで止めておく駐輪用鉄柵。かわいいロゴ入り。

保存

保存

保存

保存