Stanley Park, Vancouver; Photo by ©Pacific Walkers
バンクーバー唯一の国立公園「スタンレーパーク」。ダウンタウンに隣接する都会のオアシスであり、人々の憩いの場となっている。Photo by ©Pacific Walkers

バンクーバー旅行で真っ先に思い浮かぶ場所、と言えば、「スタンレーパーク」。ダウンタウンから飛び出した北端の半島全体が公園という都会のオアシス。

ヨーロッパからの開拓者が入植してくる以前は先住民族が多く住んでいた場所。その後、紆余曲折を経て、現在は国立公園となっています。印象的なのはやはりトーテムポール。公園内に多く設置されています。

「スタンレーパーク」の名前の由来は、かの有名なスタンレー卿。といっても知らない人のために解説すると、1888年に6代目カナダ総督に就任した人物で、カナダ総督として初めてブリティッシュ・コロンビア州を訪問。1888年9月の公園除幕式に参加し、「スタンレーパーク」と宣言した人です。

しかし彼の名前が有名なのは実は公園ではなく、そう、カナダと言えばアイスホッケー。北米では単にホッケーと呼ばれていますが、このホッケーの北米プロリーグNHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)の優勝チームが掲げる優勝杯が「スタンレー杯」です。

この優勝杯は、スタンレー卿が寄付したカップが始まりとなっていることからこの名前が付けられています。このスタンレー杯をカナダチームが掲げる瞬間を見るために、カナディアンは毎冬熱狂するといっても過言ではありません。ただしばらくカナダチームがスタンレー杯を掲げる姿を見ていませんね。

アトラクション満載の国立公園: まずはウォーキングを楽しむ

Seawall at Stanley Park; Photo by ©Pacific Walkers
外周はウォーキングやジョギングコースに。Photo by ©Pacific Walkers

スタンレーパークは、公園全体に巨木が林立し緑が生い茂っている約400ヘクタールの公園。敷地内には訪れる人々全てを楽しませる色々なアトラクションが満載の楽しい場所です。

おススメはやっぱり散歩。マイナスイオンいっぱいの緑の中を散歩するのも気持ちがいいですが、ここの外周「バンクーバー・シーウォール」もとっても気持ちがいいです。

地元の人々もジョギングやローラーブレード、サイクリングを楽しむほど人気の約10キロのコース。普段あまり歩かない人には「10キロ⁈」と思うかもしれませんが、景色を楽しみながらおしゃべりに花を咲かせて歩くとあっという間。ぜひトライしてみてください。

これだけでは歩き足りないという人は、ダウンタウンのカナダプレースジャック・ポール・プラザから、海岸線を歩いてくるのはどうでしょうか。スタンレーパークはダウンタウンと繋がっているのでウォーキングを楽しみながら来ることもできますよ。

歩くのは無理という人にはサイクリングもおススメ。ダウンタウンのウォーターフロントから続く海岸線のサイクリングロードを走って、公園内をぐるりと一周。それからイングリッシュベイの方へと抜けることができます。爽やかな夏のバンクーバーにピッタリの楽しみ方です。

Seawall Cycling at Stanley Park, Vancouver; Photo by ©Pacific Walkers
サイクリングを楽しむ人たちも多い。海沿いのサイクリングコースは気持ちいい。Photo by ©Pacific Walkers

青い空、深い緑、明るい陽射し、どこを切り取っても絵になるバンクーバーをゆっくりと味わいながら満喫できますよ。

この外周の魅力は3方向を海で囲まれていること。コース沿いは、西側はジョージア・ストレートに続く海が広がり、北側にはノースショアへつながるライオンズ・ゲート・ブリッジ、東はバラードインレットが広がっています。

バラードインレットでは、多くの巨大タンカーが停泊していたり、水上飛行機が頻繁に離発着したり、ノースショアの山々は冬は雪景色、夏は緑が美しく、飽きることがない景色です。

大都会の真ん中ではこんな景色があるなんてなかなか珍しい光景です。さらに珍しいといえば、このバラードインレットには時々クジラが現れるのです。信じられないかもしれないですけど、ほぼ毎年のように見られます。

最近は以前より頻繁に見られるようになった気がします。散歩中にクジラを発見!なんてシーンに出会った何とも羨ましいニュースが年1回は夏に聞きます。運がよければ都会の公園を散歩しながらクジラに遭遇なんてこともあり得ます。都会と自然が融合するバンクーバーならではの光景ですね。

まだまだあるぞ、スタンレーパーク内の人気アトラクション

シーウォールとならんで人気なのは、バンクーバー水族館。イルカやラッコのかわいい姿やクラゲコーナー、BC州近郊海洋生物コーナーなど、一度入ったらなかなか出られない面白いアトラクションがいっぱい。スタンレーパークに来たら必ず訪れたい場所です。

Japanese Canadian memorial at Stanley Park; Photo by ©Pacific Walkers
公園内にある第1次世界大戦で戦死した日系カナダ人の記念碑。Photo by ©Pacific Walkers

その他にも、人気のセカンドビーチや隣接するプールには、夏になると大勢の若者や家族連れがやってきます。

ちょっとバンクーバーの歴史を感じたいなら、第一次世界大戦でカナダ軍として戦死した日系カナダ人の功績を称えるモニュメントで思いを馳せてみてはどうでしょうか。毎年11月11日にはここで追悼式が行われます。

現在でも現役で活躍しているのは、大砲9 O’Clock Gun(夜9時の大砲)。今でも毎晩9時になると大きな音がバラードインレッドに響き渡ります。

水族館に行かなくても野鳥などの動物が楽しめるのは、ビーバー・レイクやロスト・ラグーンなどの湖。ここにはビーバーやサギ、アヒルなど野生動物が生息し、その姿を見ることができます。スタンレーパークは、都会に最も近いオオアオサギの北米最大生息地としても有名なんですよ。

s9 o' clock gun at Stanley Park; Photo by ©Pacific Walkers
9時の大砲。今でも夜9時の合図に号砲をとどろかせている。Photo by ©Pacific Walkers

こんなにいっぱいのアトラクションを楽しもうと思ったらとても歩いては回りきれない!という人には、無料馬車で公園内の移動をするのがおススメ。運転士の面白いおしゃべりと馬車のひづめの音を聞きながら、ゆっくりと流れる時間の中で目的地へ到着できます。

季節に合わせてイベントもたくさん催されています。春にはバラが咲き誇り、夏には無料の野外映画上映会、ハロウィーンにはお化け屋敷、クリスマスにはライトアップといつ行っても面白いのがスタンレーパーク。

さあ、見どころ満載のスタンレーパークでどんな時間を過ごしましょうか。バンクーバーに来たなら、絶対訪れたい公園です。

スタンレーパーク地図

バンクーバー市ウェブサイトより

Stanley Park Map Vancouver
スタンレーパーク案内マップ。バンクーバー市サイトより
Horse ride at Stanley Park; Photo by ©Pacific Walkers
スタンレーパークを1周している馬車。停車場で待っていると乗車のために止まってくれる。無料。Photo by ©Pacific Walkers
Stanley park Lions gate bridge Vancouver; Photo by ©Pacific Walkers
スタンレーパークから見上げるライオンズゲートブリッジ。ダウンタウンからノースショアへと続いている。Photo by ©Pacific Walkers
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