日系人のお祭り「パウエル祭」開幕

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Powell Festival Mikoshi; Photo by ©Pacific Walkers
パウエル祭の華、お神輿。祭が一番盛り上がる。; Photo by ©Pacific Walkers

今年も日系人のお祭り「パウエル祭」が8月5日、6日にオッペンハイマー公園(Oppenheimer Park)周辺で開催されている。今年で41回目。

戦前オッペンハイマー公園周辺は、日本人街として栄え、多くの日系移民が暮らしていた場所。1941年12月7日(日本時間8日)の日本軍による真珠湾攻撃を機にカナダ政府が日系人強制収容政策を実施。わずかな所持品を持って、ブリティッシュ・コロンビア州内陸部、もしくはロッキー山脈以東へと強制的に移動させられ、この辺りから日系人がいなくなった。1949年3月31日に強制収容政策が終了。日系人は4月1日から自由に行き来できるようになったが、この辺りはすでに日本人街の面影をとどめていなかった。

Powell Festival
たくさんの屋台でにぎわうパウエル祭。

それでも、現在はカナダで最も歴史が長いアレキサンダー日本語学校(正式名称:バンクーバー日本語学校並びに日系人会館)やバンクーバー仏教会が復活し、当時の活気の名残を垣間見せている。

パウエル祭はそうした日系人の歴史と日系コミュニティ復活を祝して始まった日系のお祭り。きっかけは1977年日系移民100周年を記念しての日系人支援団体「隣組」(the Japanese Canadian Volunteers Association)呼びかけだった。

今では、たこ焼きや焼きそばと言った日本のお祭りでみる屋台や、移民してきた漁師が多く関わったサーモン漁のにぎわいを思い出させるサーモンの網焼き、最近では日本風ハンバーガーの屋台など、日本を思わせるフード屋台が所せましと並ぶ。他にもクラフトの出店があったり、ステージやその近くでは日本舞踊や武道のデモンストレーションがあったり、他の会場では相撲大会と盛りだくさん。そしてメインややっぱりお神輿。毎年、保存会がお神輿を担いで公園を一周する。

またオッペンハイマーパークは、戦前活躍した日系人野球チーム2003年にカナダ野球殿堂入りした「バンクーバー朝日」のホームグラウンドでもあった。パウエル祭では記念イベントが行われる。さらに8月19日には記念野球大会も開催される。

多種多様な文化が入り混じるダイバーシティがバンクーバーの魅力。日系文化ももちろんバンクーバーで重要な一端を担う。この週末は日本文化に触れてみてはどうだろうか。

現在、バンクーバーは大気質注意喚起が出されている。先月から続くブリティッシュ・コロンビア州内陸部での山火事の影響だ。また気温も例年以上に上がると気象庁から予報が発表されている。体調管理にはくれぐれも注意してお祭りを楽しもう。

5日、6日のプログラムはこちら
www.powellstreetfestival.com/festival2017/schedule/

出店の紹介など詳細情報はパウエル祭協会ホームページまで
www.powellstreetfestival.com/