世界最強にして最高のジャンクフードはカナダのソウルフード“Poutine”だ

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シンプルなプーティーン
揚げたてフライドポテトにたっぷりのチーズカードとグレイビーのシンプルなプーティーン。Photo by ©Yu Natsumi

東京にもんじゃ焼き、大阪にたこ焼き、広島にお好み焼きがあるように、カナダにも誰もが知るソウルフードがある。それが“Poutine”だ。発祥はケベック州。フランス語圏では少し違うようだが、一般的には「プーティーン」と発音する。

揚げたてのフライドポテト(北米ではフレンチフライと言う)に、チーズカードという押し固める前のチェダーチーズの粒を散らし、その上からたっぷりとアッツアツのグレイビーをかけたもの。グレイビーとは肉を調理した時に出る肉汁を使ったソースで、肉の脂肪分とエキスが凝縮された濃厚なソースだ。

これ以上カロリーの高い組み合わせはないのではないかと思えるが、それこそがジャンクフードの真骨頂。そんなことを気にしていてはジャンクフードは楽しめない。

ではなぜこれが世界最強なのか?そもそもジャンクフードというものはその土地独特の材料を使っていてはジャンクフードではない。それはご当地料理だ。ジャンクフードとは万国共通の材料で万人が楽しめるものなくてはならない。そこにくるとプーティーンは、ポテト、チーズ、ソースと材料は至ってシンプル。にもかかわらずカナダ独自の発想で独自の進化を遂げ、世界で愛されるフードとなった。しかもいかにも体に悪そうだ。こうでなくてはいけない。

で肝心の味はと言うと、これがまあ想像ほどはしつこくないのだ。ソースが意外とあっさりしている。もちろん重量級の組み合わせなので、かなり食べ応えはあるが…。

発祥は諸説あるようだが、1957年ケベック州ワーウィックのレストランで生まれたというのが一般的。ある客がフライドポテトに別売りのチーズを乗せてほしいと言ったのがきっかけとか。その後、その上から熱々のグレイビーをかけると、チーズがうまい具合にとろけていい感じになると店主の思いつきで販売したところ人気が出たという。

「ごちゃまぜ」という意味があるフランス語の「プーティーン」。客からの要望を聞いた店主が「グチャグチャになるぞ」と言ったところからこの名がついたとか、「プディング」から来ているとか、1916年の文献にすでにアカディア地方料理にその名が付いたものがあったとか。アカディア地方は現在のカナダ大西洋沿岸州でノバスコッシア州やニューブランスウィック州にあたる。ニューブランスウィック州も「プーティーン」発祥の地と主張している。

全国でプーティーン大会開催

発祥地の検証はさておき、今ではすっかりカナダ全国で食せるようになった。国内ではファーストフードチェーン店のウェンディーズ、バーガーキング、A&W、さらにはマクドナルドやKFCでも販売されているほど一般的だ。

最近ではバリエーションも増え、ボロネーズソースを使ったイタリアンプーティーン、モントリオールスタイルスモークビーフやソーセージを加えたもの、カマンベールチーズやブルーチーズを使ったものなどさまざまで、ベジタリアンプーティーンまであるそうだ。

しかし、やっぱり本場に勝るものはないというのがケベコワ(ケベック人)たちの主張。モントリオールでは2月に“Poutine Week”が開催され、エントリーしたレストランで、どこの“Poutine”が最も美味しいかを競い合う。勝敗は投票で決められる。2017年情報はこちら。www.mtlblog.com/news/montreals-poutine-week-2017

ここブリティッシュ・コロンビア州では、バンクーバーで毎年2月にプーティーンチャレンジが、vancouverfoodster.com/challenges/poutine-challenge/、ビクトリアでは今週10月16日から22日までがまさにプーティーンウィークだ。www.tourismvictoria.com/see-do/festivals-events/victoria-poutine-week。トロントでは今年の10月14日プーティーン早食い競争が開催された。全国各地で今やプーティーン大会がそれぞれの形で行われている。

一見どこにでもありそうな、ポテトとチーズとグレイビーの組み合わせ。一度食べると癖になる世界最強にして最高のジャンクフード「プーティーン」。カナダに来た時はぜひ食してもらいたい。