Croissons on National Croisson Day on Jan 30, 2018
「ナショナル・クロワッサン・デー」に大量買いしたCroissant。2018年1月30日

「ナショナル・クロワッサン・デー」というものがあることを初めて知った。1月30日、近くのスーパーに出かけるとパンのセクションに“National Croissant Day”と書かれたコーナーがあり、クロワッサンが積まれていた。

クロワッサン大好き人間なので、もちろん迷わず買った。ついでにチョコクロワッサンも買った。

そこで気になったことがある。「ナショナル・クロワッサン・デー」とは何なのか?カナダ人が勝手に作った習慣なのか?例えば日本で言う、この時期なら節分の恵方巻きとか(海苔屋が仕掛けたという説が有力?!)、バレンタインデーにチョコとか?しかも日本ではなぜか女性から男性に。こちらでは、もちろん、どちらから渡してもOK。チョコじゃなくてもOK。

それはさておき…、調べてみたところ、なんだかさまざまな逸話が…。

その1:1683年、トルコとオーストリアのウィーンでの戦いでトルコが劣勢になって地下道から抜けようとしていたところを、地下で仕事をしていたウィーンのベーカリーが物音に気づいて通報。これがきっかけでトルコ軍を倒し、ベーカリーは国から表彰を受けた。これを記念して、当時のオスマン帝国のシンボル三日月を模って作ったパンがクロワッサン。これを後にウィーン出身のマリー・アントワネットがフランスに紹介、フランス語で三日月を意味するクロワッサンとして知られるようになった。

その2:1839年にオーストリア出身の軍人August Zangさんがフランスのパリにウィーンベーカリーをオープン。そこで、オーストリアで13世紀から伝わるクロワッサンの前身Kipferlというパンが人気を博し、これがフランス語で言う三日月「クロワッサン」としてフランスで定着、世界に広がった。

どちらも本当のような、嘘のような…。

French Cafe "Faubourg" at downtown Vancouver
バンクーバーのダウンタウンにオープンした“Faubourg”。お洒落な雰囲気も人気のひみつ。

どうやらマリー・アントワネット説は間違いで、Zangさんがフランスに伝えたのがクロワッサンの歴史らしい。Zangさんのクロワッサンをマリー・アントワネットが気に入ったというものあったが、それではどうにも年代が合わない。Zangさんがウィーンベーカリーをパリに伝えたという本があって、どうやらこちらが有力。どちらにしても、発祥はオーストリアということになる。意外である。

そのクロワッサンだが、好きな食べ方は、もちろん、そのままガブリといく。この触感がたまらない。こちらのクロワッサンは大きくて食べ応えがあるからなおさら。大きいサイズのコーヒーとの相性も抜群だ。

また、ハムやチーズ、レタスなんかを挟んで、サンドイッチにすれば、ボリューム満点。それでもう立派なランチになる。

“Croissant” 英語でどう発音する?!

クロワッサンと言えば、先ほど紹介したようにフランス語だ。このフランス語スペルの英語読みというのは非常に発音しにくい。日本人が“L”と“R”の発音が下手とかいう問題ではない。

英語のカタカナ読み「クロワッサン」では、もちろんダメで、全然通じなかった。何回言ってもダメなのだ。パン屋には「ク」で始まるパンが少ないのだから、分かってくれそうなもんだが、何度も言って、指でさしてようやく通じるという具合だった。

それから、相手が言うのをよく聞いてみた。「クロッソン」と聞こえる。そこで、その通りに真似てみたら、通じるようになってきた。コツは、「クロ」をちょっと早口で言って、「ワッ」を小さくして「ソン」を強調する。「クロッソン」になるべく近く発音する感じで、「ワッ」を付け加える感じだ。一度通じると嬉しくなって、しばらくは、カフェにいっては「クロッサン」を注文していた。

Starbucks Christmas version coffee and Chocolate Croisson at YVR
クリスマスバージョンのスターバックスコーヒーとチョコクロワッサン。2017年12月

バンクーバーでお気に入りの「クロッソン」は、スターバックスのチョコクロワッサン。大きくてボリューム満点で、あの濃いめのコーヒーにピッタリ。

もう一つは、最近バンクーバーにオープンしたパリのカフェ“Faubourg”のクロワッサン。これが本場のクロワッサンか~と思わせてくれるような美味しさだ。大きくて、パリッとして、でもフワッとして。

あ~、またクロワッサンが食べたくなってきた。

それにしても、気になることがまだ一つある。それは「なぜ1月30日なのか」だ。カナダ限定ではなく、アメリカでの紹介が多かったから北米限定かも。でも、結局なぜこの日が「ナショナル・クロワッサン・デー」となったのかは分からなかった。残念。知ってる人はぜひ一報ください。

 

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