ンクーバー発祥の地「ガスタウン」は酔っ払いの街だった⁈

バンクーバー発祥の地と言われる「ガスタウン」。旅行ガイドの中には「ギャスタウン」と記述しているものある。街の名前の由来からするとそちらの方が正しいのかもしれない。

舗装道路からレンガが敷き詰められた通りに足を踏み入れると、時計が逆回りするような雰囲気に包まれる。その東の端、酒樽の上に立つ銅像が、この街の始まりの由来とされる人物ジョン・デイトン、またの名を「ギャシー・ジャック」という。

1800年代後半頃、現在のガスタウンからダウンタウンイーストサイドの辺りまでは製材所があったという。近くには港もあり、労働者や船乗りでにぎわっていた地域だったらしい。そこに1867年、酒場、今で言う居酒屋のような店を始めたのがデイトンだった。

その頃、この辺りはまだ街らしい街も何もなかったというから、店は大そう賑わっただろう。さらに、デイトンのおしゃべり好きも商売には幸いしたそうだ。時には大ぼらも吹いたという逸話も残っている。

そこで付いたあだ名が“Gassy Jack”。Gassyとは、「ほら吹きの」とか、「自慢話ばかりする」という意味。なぜJackなのかは分からなったが、Jackには船乗りという意味もあるらしい。そういえば、Jackという名前の海賊が活躍する映画の主人公もおしゃべりでほら吹きだったような…。

それはともかく、そのおしゃべりぶりが街の名前になったのくらいだから、人気者だったに違いない。彼がガスタウンにいた時期はそれほど長くない。資料によれば1875年には亡くなっている。それを思えばその人気ぶりが知れる。

デイトンについては、多くの資料が残っているが、それらの中にいつ頃からこの街を“Gas Town”と呼ぶようになったのかは明確には記されていない。何にもない場所に建てられたGassyの酒場には人が集まり、やがて町ができた。1870年には公式に「グランビル」と名づけられ、新都市地域として指定された。それでもこの街は「ガスタウン」として知られていたという記述がある。バンクーバー市となったのは1886年。それから120年経った今でもこの街は「ガスタウン」として親しまれている。

 

 

ャックもほくそ笑む?!土地開発が進むガスタウン地区

バンクーバーの始まりが酒場からだったという事実は、なんだか思わずほくそ笑みたくなるような、ほっこりするような、そして何より、バンクーバーに相応しいような気がする。バンクーバー発祥の酒場は現在「ギャッシー・ジャック」が立っている、カラルとウォーター(Carrall and Water)ストリート辺りにあったという。

この辺りは、現在、急ピッチで都市整備が進められている。「ギャッシー・ジャック」が活躍したころから140年が過ぎた街は、その後の紆余曲折を経てさらに新しく生まれ変わろうとしている。ちょうど「ギャシー」が向いている方角だ。

どんな思いで見ているのだろうか。きっと、ウィスキーを片手に、「相変わらず騒々しい街だ」などとおしゃべりしているに違いない。そう思いながらこの銅像を見上げると、タイムスリップしたと思った街が、今度はここから新たな未来へと開いているような気がしてくる。

 

 

 

 

保存

保存

保存

保存

保存

保存